PROGRESS21 BOOK2 LESSON10 READ 和訳

"TRICK OR TREAT"

10月30日、ハロウィンの日のことだった。このときもう外は暗かった。トムと次郎はジャネットの家にいた。ジャネットはハロウィンの衣装を着た妹のエミリーの手伝いをしていた。

家はハロウィンのために綺麗に飾られていた。玄関の階段のところには小さいジャック・オ・ランタンが、玄関のドアにはスケルトンがあった。小さいジャック・オ・ランタンはプラスチックでできており、スケルトンは紙でできていた。しかし、ドアにあるランタンとスケルトンの顔は恐ろしく見えた。

 

「じゃあこれがあなたのアメリカでの初めてのハロウィンになるわけね、次郎。あなたも『トリックオアトリート』は聞いたことあると思うけど」とジャネットが言った。

 

「聞いたことはあるけど、見たり自分がやったりみたいなことはないな。」と次郎が言った。

 

「子供達が衣装を着るの。ドアの方まで行って『トリックオアトリート』というの。その意味は『なにかご馳走してくれなきゃ、あなたにイタズラするぞ!』ってこと。私たちはキャンディをあげるわ。これが『トリート』ね。」

 

「エミリーはどこ?」トムが尋ねる。

 

ジャネットが言う。「彼女なら衣装を着ているところよ。気にいるはずだわ。今週ずっとそれを作ってたんですもの。妖精さんとして外に出るんですって。彼女の羽はワイヤーハンガーと紙でできてるの。私は本当に満足よ。」

 

ちょうどエミリーが部屋に入ってきた。彼女はとても可愛い妖精の衣装をまとっており、銀の王冠を持っていた。それはふたつに破れていた。

 

「ああ、エミリー!王冠を破っちゃったのね。徹夜して作ったのに。」ジャネットが言った。

 

エミリーが泣き出した。「ちょっといい。わたし妖精さんになんてなりたくなかった。海賊になりたかったの。」彼女はそう言うと部屋に走って行った。

 

ジャネットもこれにはひどく落胆した。「ああ、なんてこと。私がすごくがんばって作って、衣装にすごい満足してたのに。」

 

トムは言った。「君がそんなに気に入ったなら、多分その衣装は君が着るべきだよ、ジャネット。小さいけど、もっと大きくできるでしょ。ねえ、土曜日にコスプレ大会をやらない?ぼくたちが衣装を着て、怖い映画を見るの。」

 

次郎は言った。「いい考えだね!恐怖のサムライとしてくるよ。それより誰もドアの方にはまだ来てないんだね。すごくお腹が空いたよ。じゃあ「トリックオアトリート」だね、ジャネット。」

THANKSGIVING DAY

11月の第四土曜日、感謝祭の日、家は人とご馳走の匂いに満ちていた。グリーンの祖父母はボストンから着た。ジョージ叔父さんとエリザベス叔母さんもトムとメアリーのいとこのハリーと一緒にいた。

 

グリーン博士はキッチンで七面鳥の準備をしていた。女性たちは手伝いに来たのでキッチンは混雑していた。「今だよ今。煮すぎると出汁(ダシ)が台無しになっちゃう。パイの手伝いを誰か手伝って。」グリーン博士が言った。

 

次郎:じゃあこれがアメリカの感謝祭なんだね。思ってたよりも良い。

メアリー:どういうこと?

次郎:インターネットで感謝祭について見つけた時、「だから何?伝統的な食事を家族とするだけじゃん」って思ったんだ」

トム:うん、だけど感謝祭になると家族が大きくなるんだ。祖父母に叔母に叔父にいとこまで来る。

 

アメリカの伝統によると、最初の感謝祭の日から400年近くもの間毎年アメリカで感謝祭は祝われていた。

 

1620年、イギリスから大西洋を渡って最初の集団のひとつが来た。彼らはピルグリムと呼ばれた。彼らの旅は想像をはるかに超える難関で、新世界での生活は思ったほど楽ではなかった。

冬はひどく寒い。薬や衣類も十分になかった。ピルグリムの約半数は数ヶ月で死んだ。

 

ネイティブアメリカンはかわいそうなピルグリムを助けることにした。最初ピルグリムは彼らに怯えていたが、ピルグリムが思っていたよりもネイティブアメリカンは友好的だった。ネイティブアメリカンのおかげで、次の冬は動物の毛皮でできた暖かい服があった。また彼らは薬にできる植物も持っていた。

 

ピルグリムは多くの食べ物を育てた。収穫の時期になると、彼らはネイティブアメリカンを招き3日間お祝いをした。彼らは衣食を神に感謝した。彼らはネイティブアメリカンの親切さに感謝した。

 

多くの歴史書でこれがアメリカでの最初の感謝祭だと書かれているが、多くの人はそれを本当の話だとは考えていない。

 

グリーン博士:七面鳥の準備ができたよ。座って食べよう。

グリーン夫人:トム、りんごパイを運んで、向こうのテーブルにデザートとして置いてくれない?

いとこのハリー:感謝祭にりんごパイ?いつもはかぼちゃパイだったじゃないか!

グリーン夫人:ごめんね、坊や。でもがぼちゃパイはハロウィンで食べたから。

グリーン博士:そうだぞ、ハリー。おまえも気にいるはずだぞ。そして思い出せ「りんごパイ一つで医者いらず」。

トム:もう食べていい?

祖母:いいわよ。みんな、頭を下げて、我々の全ての祝福に感謝の祈りを捧げよう。