SUMMERTIME
サマータイムは暮らしが楽だ
魚は飛び跳ね 綿花も育つ
父さんは金持ちになるし 母さんは美人じゃないか
だから坊や、泣くのはおよし
この子守唄の歌詞はおそらくそこまで広くは知られていないだろうが、きっとこのメロディーは世界中の多くに人々が耳にしたことがあるだろう。これは1935年、アメリカのオペラ、ポーギーアンドベスのためにジョージ・ガーシュウィンによって作曲された。
ガーシュウィンの音楽はアフリカ系アメリカ人の「ディクシーランドジャズ」のテーマとリズムから生まれた。ガーシュウィンは白人アメリカ人だが黒人の音楽家から影響を受けた。彼のメロディーの多くは今日でも人気だ。実際、これらは黒人歌手に歌われる時もっとも良く聞こえる。
ガーシュウィンはコンサートホールやオペラハウスにポップミュージックや民族音楽を持ち込みたかった。それは彼の夢だった。 彼はそれにクラシック音楽の気品を与えたかった。「An American in Paris」「Rhapsody in Blue」「Concerto in F」は古典音楽の形式を持っていたが、アメリカ起源のテーマを混ぜたものだ。今日ではこれらはコンサートホールで演奏される。ポギーアンドベスは最終的にニューヨークメトロポリタンオペラで1985年に演奏された。
不幸にも19世紀のステファン・フォスターのように、もしくは偉大な音楽家モーツァルトのように、ジョージ・ガーシュウィンも40歳に満たぬ若さで亡くなった。そしてアメリカ人は最初で最高の創造的な「融合」音楽家を失った。

ジョージ・ガーシュウィン
SHOWTIME ON BROADWAY
次郎はバスの窓の外を見ていた。彼はとても緊張していた。道路は車でいっぱいで、バスはとてもゆっくり動いていた。「気軽にいけよ、次郎」と次郎の隣に座っていたジャック・アダムスが言う。ジャックは学校で最も大きい少年の一人で次郎は自分がとても小さく感じられた。
次郎はジャックを見上げた。「ショーが始まるまでに着くと思う?」と彼はたずねた。
ストーン先生のクラスの何人かでブロードウェイの劇場でライオンキングの劇を見に行くことになった。「心配しないで次郎」二人の後ろに座っているジャネットが言った。「見て、道の向こう側に劇場がある。つまりすぐ近くまで来てるってこと。見て、他にもあるわ。ニューヨークのこの地域には有名な劇場がたくさんあるんだわ。この灯りを全部見て。ああ、ブロードウェイが大好き。」
「ブロードウェイは1世紀以上もの間、有名なミュージカルや劇の中心だったんの。キャッツやライオンキングみたいな大きな大きなショーは何年間も上映されていて、三千人もの人に見られてたわ。」ストーン先生は言う。
通路の向こうに座っていたジョシュ・カッパーマンはライオンキングについていくつか知ってる。「ライオンキングの歌はエルトン・ジョーンに作曲されたものもいくつかあるんだ。」と彼は次郎に言う。「彼については知ってるよね?」
「他の曲だと南アフリカの作曲家レボ・Mが作曲したものもあるわ。もし次郎はジャズが好きなら、ショーの中でのアフリカ音楽を好きになわよ。」とストーン先生は続けた。
「トム、このショーから来た曲をなにか知ってる?」次郎はたずねた。
「うん。一番有名なのだと『Can You Feel the Love Tonight?』だね。これもエルトン・ジョーンに作曲されたものの一つだ。」
次郎は答えた。「多分、それは知らないな。どんなかんじの曲?」
トムは歌い始めたが歌が下手くそだったのでジャネットは手で耳を塞いだ。「トム、やめてよ!」彼女が頼んだ。
「ぼくはただ次郎に歌について話そうとしただけだよ。こんなかんじだって」そしてトムはまた歌いだした。
ストーン先生は後ろのトムのことを見て言った「トーマスグリーン!出かける前に、あんたなんて言われた?」
「ごめんなさい」トムは言う。トムは歌うのをやめ、また静かになった。
「きみはなんていわれたんだ?トーマス・グリーン」次郎がたずねた。
「ストーン先生は騒いだり歌ったりするなと言ったんだ」とジョシュは答えた。
「なんで?ジェーンとジャネットは数分前まで歌ってたじゃないか。」と次郎が言った。
「うん。でも彼女たちは声がいいからね。」ジョシュは言った。トムの顔が赤くなった。
「着いたわよ、みんな!イッツ ショータイム!」とストーン先生が言う。彼らは劇場の近くのバス停に着いた。わくわくしながらバスを降りた。みんなすばらしいブロードウェイのショーが楽しみだった。

夜中のブロードウェイ