PIER39
昼食においしい海鮮料理を食べた後、グリーン一家はピア39に歩き始めた。彼らは道沿いにお土産屋が多くあることに気づいた。次郎は家族や友人へのお土産のためにほとんど全てのお金を使い切ってしまった。
ピア39でグリーン夫婦は自分たちがカリフォルニアの歴史についての語るお堅い展示会を見ている間、子供達にはお店やゲームを楽しんでくるように言った。第二次世界大戦の「移転センター」についての展示があった。
戦時中、西海岸沿いに住んでいた日系アメリカ人は自分たちの家や小さな農場を去らなければならなかった。彼らは仮住宅に連れて行かれ間近で監視された。戦後、彼らは自分の家に帰ることができたが、家を出ている間に多くの家が他の人に取られていた。日米関係の歴史の中の悲しい一節であった。
次郎はアシカが吠えているのを聞いた。しかし、グリーン博士は「ロック」について間違えていた。アシカは水の中で木の足場によじ登る。それらはボートの「ドック」として使われたが、アシカは寄って来て自分たちのものにしたのだ。
トム、メアリー、次郎は、アシカたちがしばらく日光浴をするためにドックの上に登りそして水の中に帰っていくのを、見るために座った。彼らも自分の顔に当たる暖かい日光を感じることができるのだ。
ちょうどその時、トムは後ろで女の子達が話しているのを聞いた。それは英語ではなかった。「多分これは日本語だな。」彼はそう考え、次郎を見た。トムは次郎の顔が赤くなったが日光のせいではないに気づいた。「ねえ、どうしたの?」トムはたずねた。トムは女の子達を見て次郎を見返した。
次郎は答えた「あの日本人の少女達は僕たちのことを話してるんだ。『黒い髪のかわいい子が好き。日本人っぽいけど英語を話してるから多分彼はチャイナタウンから来た中国系アメリカ人なのね』って。」
「じゃあ、もう一人はなんて言ってるんだ?ぼくについてなにか言ってた?」トムはたずねた。
次郎の顔がますます赤くなっていった。「わすれて。いいことじゃないよ。」と言うだけだった。
「彼女は多分アシカがトムよりもずっとかわいくみえるって言ってたんだわ」メアリーが言った。
「ねえ、君はいつから日本語が理解できるようになったんだ、メアリー?」
次郎は答えた「ああ、そんな感じのことをいってたよ。」

ピア39
THE ECHO
この物語は昨晩グリーン博士が家族と一緒に次郎に話したものだ。
若く賢い母は小さい息子とロッキー山脈の高い所に住んでいた。
その数年前に彼女の夫は亡くなったため、女手一つで息子を育てていた。彼女たちは深い谷に囲まれた小さな農場で孤独に住んでいた。
彼女は毎日一生懸命働かなければならなかった。彼女たちは自分たちの野菜を育てた。自分たちの牛から牛乳を取った。彼女は家や農場周りの多くのことを息子にやらせた。ときおり息子は従おうとしなかったが、彼女は決して息子を怠けさせなかった。
ある日息子が遊んでいるとき、母は息子に牛の乳を搾らせに行くように言った。しかし息子は遊び続けて従わなかった。「何かしろと言われたときに、従わなきゃダメでしょ。さあ、乳を搾りに行って、そしたら多分遊べるわ。」と母は言った。しかし息子は谷の端まで逃げていった。母は息子が行ったのに気づかなかった。
息子はひとりごとを言った。「仕事仕事仕事!母さんはいつもぼくを働かせてばかりだ。楽しいことをさせないんだ。」そして彼は怒り声で大きく叫んだ。「お前のことなんか嫌いだ!」
突然彼は谷から声が帰ってきたのを聞いた。「お前のことなんか嫌いだ。お前のことなんか嫌いだ。」
彼は恐ろしくなった。彼は自分の足が震えるのを感じた。彼は家に逃げ帰った。
「母さん、母さん!誰かが谷の下からお前のことなんか嫌いだって言う人がいたんだ。ぼくにそう叫ぶのを聞いたんだよ。その人にぼくの居場所を教えないで。」
母は微笑み彼の手を引き谷の端まで息子を再び連れて行った。そして母は言った「さあ、できる限り大きい声で愛してると叫んでみて」
彼ができる限り大きい声で「愛してる」と叫んだとき、反響した声が帰ってくるのを聞いた。「愛してる、愛してる」と。
母は息子の頭をなで、言った「坊や、これは山びこよ。山びこに怯える必要はないわ。山びこは人生の決まりごとを教えてくれるの。自分が与えたものは常に自分に帰ってくるという決まりをね。憎しみを与えれば憎しみを受けるわ。愛を与えれば愛を受けるのよ。」

ギリシャ神話のエコー
英語のEcho(こだま、反響)の由来はギリシャ神話のエコーから来ている。
森のニンフ(妖精)のエコーは、女神ヘーラーの怒りに触れる。
エコーは相手の言葉を繰り返すことしかできなくなり、肉体が消滅し声だけとなった。
Reading Check
主よ、私をあなたの使者にしてください。
憎しみある所に愛を植えさせてください
争いある所に平和を
悲しみある所に平和を
闇ある所に光を。
理解される以上に理解を望ませてください
愛されるより愛すことを
与えることで我々は受け取るのです
理解することにより我々は理解されるのです。
そして我々自身の死によって、我々は永遠の命に生まれるのです。