NO SMOKING!
エリザベス女王1世の時代、ウォールター・ローリーという名前の若い男がいました。
ある日この若い紳士は通りを歩いていました。きれいな赤いマントと上等な黒い靴を履いていました。前の晩に激
しい雨が降ったので、道の至る所に泥の水たまりがあり、靴を汚さずに歩くのは容易なことではありませんでした。
ちょうどそのとき、ウォールターは女王の馬車がやってきて、ある大きな屋敷の前で止まるのを見ました。馬車のドアが開いて女王ご自身が現れました。
女王が馬車から泥道に降りようとしたちょうどそのとき、ウォールターは自分の立派なマントを脱いで、女王が足を汚さずに渡れるように水たまりの上にマントを広げました。
マントを広げながら、丁寧に頭を下げて言いました。「お役に立てて光栄です、陛下。」
女王はほほえんで馬車から降りてから無事にマントの上を歩いて渡りました。女王はウォールターに礼を
言うためにちょっと立ち止まり、それから大きな屋敷へと消えていきました。
数日後、女王がウォールター宮殿へ呼びました「先日のあなたの親切に対して報いるためにきてもらい
ました。」と、女王は言いました。そして剣を彼の肩に当てて言いました。「今からあなたはウォールター卿と名乗りなさい」
このようにして、ウォールター·ローリーはナイトの称号を与えられました。1584年、 ウォールター・ ローリー卿は、 アメリカのノースカロライナ沖の島に植民地を開く許可を得ました。この植民地は1587年に開拓されました。
しかし不幸にも、 翌年、 スペインとの戦争のため、 イギリスは植民地に生活必需品を送ることができませんでした。 1590年、 船がついに植民地に到着したとき、入植者はだれもいなくなっていました。この「失われた植民地」の謎は未だ解かれていません。
ウォールター・ローリー卿は植民地にいる間に、アメリカ先住民たちがたばこの葉を燻らせているのに気づきました。 そこで彼は自分で試して、言いました 「おや、 これは悪くないぞ。 故郷の連中のために少々持って帰ろう。」それで、彼がイギリスに戻った後、人々はよくロ一リーがたばこを吸っているのを見かけ、この光景に驚きましウォールターの口から煙が出ているのを見たのです。なんと火を食べているように見えました
ある日、ウォールター卿が大きな掎子に座ってたばこを吸っているとき、一人の召し使いが入ってきて、主人の頭から煙が立ち上がっているのを見まし「何てことだ!旦那様の服に火がついたんだ!」と、彼は言いましに召し使いは、水がいっばい入ったバケツを取りに、部屋から走り出て行きました。まもなく彼は走って部屋に戻ってくると、バケツの水を主人の頭からかけました。 ーー/ヾシャ!
言うまでもなく、火は消し止められましたが、主人がこの召し使いがやったことを喜ばなかったことは言うまでもありません。
HOW THE KIWI LOST ITS WINGS
ニュージーランド人は自分たちのことをキーウィと呼びます。キーウィは奇妙な鳥です。実際、探検家たちが言葉で説明しても、最初のうちイギリス人は信じませんでした。
キーウィは飛ぶことができず、地面に掘った穴の中で暮らしています。エミューやダチョウが同じ種に属しますが、キーウィはこの種のどれよりも小さいのです。
なぜキーウィは飛べないのでしょうか?なぜキーウィは暗くてじめじめした森の地面に住んでいるのでしょうか?
以下はこの疑問に答えるマオリ伝説です。
ある日、森の王様タネマフタは森の中を歩いていました。彼の子供である木々はとても病んでいるようでした。
森の地面で暮らす虫たちが木々を食べていたのです。木があまりにも病んで見えたので、タネマフタは言いました。
「もし何も対処しなければ、森は死んでしまうだろう。」タネマフタは、兄で空の王様のタネホカホカに虫たちと木々のことについて話しました。
タネホカホカは弟を助けたかったので、鳥たちすべてを一堂に呼び集めました彼は鳥たちに言いまし
た「地面の虫たちが木々を食べている。君達のだれかに、森の屋根から降りて底に住み、虫を食べて木を
救ってもらいたい。だれか私たちのためにやってくれないか?
タネマフタとタネホカホカは耳を澄ませて待ちましたが、みな黙ったままでした。どの鳥も口を開きま
せんでした。
そこでタネホカホカはトゥイに尋ねて言いました「トゥイ、私たちのために森の屋根から降
りてきてくれないだろうか?」
トゥイは木々を見上げて、葉の間から漏れる太陽の光を見ました。それから彼は森の底を見下ろし、冷たく暗い地面に目をやりました。
彼は怖くなり、「ああ、だめです、タネホカホカ様。暗すぎます。暗いのが怖いのです。
私ほど暗いところを怖がる鳥は森にはいないでしょう。」と彼は言いました。
タネホカホカはプケコに尋ねました。「プケコ、私たちのために森の屋根から降りてきてくれないか?」プケコは冷たくてじめじめした森の底を見下ろし、言いました「ああ、だめです、タネホカホカ様。
じめじめしすぎで、足が濡れるのは嫌なのです。私はじめじめした地面が森のどんな鳥よりも嫌なのです。
次にタネホカホカはピピファロロアに尋ねました。「ピピファロロア、私たちのために森の屋根から降りてきてくれないだろうか?」
ピピファロロアは家族を見回しました。「ああ、だめです、タネホカホカ様。」と、彼は言いました。
「私は家族のために巣を作るのにとても忙しいのです,私は森の他の鳥たちの倍ほど忙しいのです」
タネホカホカはとても悲しくなりました。どうしたらよいのかわかりませんでした。
彼はタネマフタに「もし鳥たちの一羽が森の屋根から降りてきてくれなければ、森は死に、鳥たちはみな家を失ってしまうだろう。」と、言いました。
最後にタネホカホカはキーウィに尋ねました。「キーウィ、私たちのために森の屋根から降りてきてくれないだろうか?」
キーウィは自分の家族を見回しました。それから冷たくじめじめした地面を、見ました。彼はタネホカホカの方を向いて言いました。
「参ります。」
タネマフタとタネホカホカはキーウィの返事を聞いてとても喜びました。
二人はキーウィに感謝してお互いに言いました。「キーウィが森を救ってくれるだろう。」
しかし、タネマフタはキーウィに警告することにしました。「キーウィ、もしこれをすることになれば、
お前は地面に落ちている枝を引き裂けるように、太くて丈夫な足を持たなければならない。
森の地面の色にとけ込むように、きみの美しい翼や色とりどりの羽毛を失わなければならない。おまえは二度と空の生
活に戻ることはできないし、二度と昼の光を見ることもできない。だからもう一度聞かせておくれ。
キーウィ、森と全ての鳥たちを救うために森の屋根から降りてくれるかね?」
キーウィは最後にもう一度太陽を見て、心の中でさよならを言いました他の鳥たちの美しい翼や色と
りどりの羽毛を見て、心の中でさよならを言いました。それからタネホカホカの方を向いて言いました。
「参ります。」
タネホカホカは他の鳥たちの方を向いて言いました。
「トゥイ、おまえは怖がって降りてくれなかったので、今からおまえは臆病者の証として首に二つの白い羽毛を付けることになる。
プケコ、おまえは自分の足がぬれるのを嫌がったので、永遠に沼地に住むことになる。
ピピファロロア、おまえは自分の巣作りに忙しかったので、今後はと巣を作らず、他の鳥の巣の中に卵を産むことになる。
しかし、キーウイ、君の大いなるによって、森のあらゆる鳥の中で一番有名で最も愛される鳥となるだろう。」