Section1 オーストラリアの医療制度はどれくらい良いのでしょうか?
オーストラリアの医療制度は、他のどの先進国のものと同程度進んでいます。公立と民間合わせて1,300を超える病院がオーストラリアにはあり、理論上は誰もが皆医療を簡単に受けられるのです。
最先端の医療技術が利用できるうえ、世界保健機構の世界の保健制度に関するランキングでは、ーストラリアはアメリカ合衆国よりも上位に位置しています。
Section2 オーストラリア人の平均寿命に関してグラフは何を表しているのでしょうか?。
上記の文章を読めばあなたはすべてのオーストラリア人はそれなりに健康であると想像するでしょう。
しかし、下記のグラフを見てみましょう。これはアポリジナルのオーストラリア人とアポリジナルではないオーストラリア人の平均寿命を示しています。
これらの統計から、平均的なアポリジナルのオーストラリア人の寿命の方が短いことが明らかです。
アポリジナルのオーストラリア人の寿命とアポリジナルではないオーストラリア人の寿命との差は、男性で11.5歳、女性で9.7歳となっているのです。
この事実により私たちは、アボリジナルのオーストラリア人には、アポリジナルでないオーストラリア人よりも健康上の問題が多くあると推測できます。
Section3 ヨーロッパ人の到来後にアボリジナルのオーストラリア人はどのような困難を経験したのでしょうか?
無論アポリジナルのオーストラリア人はオーストラリアの先住民です。
彼らは18世紀の後半にヨーロッパ人によって大陸が植民地にされる前、少なくとも4万年問当地に住んでいました。
ヨーロッパ人たちの到来は、アポリジナルのオーストラリア人にとって悲惨なものでした。
彼らはヨーロッパ人たちが持ち込んだ病気に対して免疫がなかったので、多くの人々が非常に短期間に亡くなりました。
アポリジナルのオーストラリア人がそれ以前にさまざまな病気に直面したのは事実ですが、彼らは自分たちを取り巻く自然界で、彼らを治すことができる薬をどうやって見つけるかを知っていました。
病気を治すことができなかった場合は、彼らはものごとの自然な成り行きとして死を受け入れていました。
開拓移民たちはアポリジナルの土地も奪いました。アポリジナルのオーストラリア人彼らの伝統的な生活様式を守り続けるのに途方もない困難を経験したのです。
Section4 下記のグラフから何を読み取ることができるのでしょうか?
今日においてでさえ、アボリジナルの人々は現代のオーストラリア社会にうまく適応していません。
彼らの多くは、現代のオーストラリアの都市で生活するのは不可能だと考えています。
アポリジナルのオーストラリア人は都市部人口のわずか1パーセントを占めるにすぎないのに対し、孤立した農村社会の人口に占める割合は20パーセントです。
そのような農村の孤立はアポリジナルのオーストラリア人の高い失業率と低所得水準に関係があるのです。
アポリジナルのオーストラリア人とその他のオーストラリア人との所得の開きは下記の図表からわかります。
アポリジナルのオーストラリア人は,アポリジナルでないオーストラリア人よりも平均して週に280ドル少ない収入になっています。
Section5 仕事がなくお金もほとんどない結果から生じる,アポリジナルのオーストラリア人が直面している間題は何でしょうか?
仕事もなくお金もほとんどないため、人里離れた村落に暮らすアボリジナルのオーストラリア人にとっての生活は。実際にとても厳しいものになることがあります。
多くの人々が、直接的な電力や水道の供給がない家に住んでいます。2008年においても、アポリジナルの地城社会のうち十分な水道の供給があったのはたった70パーセントで、十分な電力の供給があったのは80パーセントだけでした。
これは、残りのオーストラリア人社会の大部分が享受している100パーセントの水準と対照をなしています。
水や電気なしで、多くのアポリジナルのオーストラリア人にとって生活状態は不衛生であり、このことが病気の蔓延をもたらすのです。
貧困のもう1つの直接的な結果であり、またアポリジナルの子供たちが直面している大きな問題は栄義失調です。
4歳未満のアポリジナルの子供たちは、同じ年齢のアポリジナルでない子供たちよりし30倍も栄養失調になりやすいのです。
このことが彼らを病気に非常にかかりやすくしています。
アポリジナルの子供たちは生後1カ月以内に死亡する可能性がはるかに高く,生後1年以内に死亡する可能性は2 ~ 3倍にもなります。
かれらの理由からアポリジナルのオーストラリア人の平均寿命は全般的に、アポリジナルでないオーストラリア人に比べてずっと低いのです。
Section6 アポリジナルのオーストラリア人の平均寿命を向上させるのに何が必要なのでしょうか?
歴史が違っていさえすれば!あなたはそのように考えたくなるかもしれません。
しかしアポリジナルのオーストラリア人の短い寿命は、彼らに対する長い偏見の歴史から生まれた悲しい遣産なのです。
近年ではその状況は改善されつつあるかもしれませんが、これはオーストラリア全体にかかわる問題です。
そのため、オーストラリア政府の介入なしではこの問題を解決することはできないでしよう。
Section7 オーストラリア政府はどのような目的で先住民雇用プログラムおよび先住民への賃金助成金制度に着手したのでしょうか?
アポリジナルのオーストラリア人を支援しようとする対策の1つは、政府の先住民雇用プログラム(IEP)です。
このプログラムでは.アポリジナルのオーストラリア人が都市部と同じように農村地域でも仕事を見つけ、職業訓練を受けるのに役立つよう資金を提供します。
自らの会社を設立したり経営したりしたいアポリジナルのオーストラリア人に対して、助言や支援もまた与えられます。
雇用主を支援するために企画されたもう1つの対策は、先住民への賃金助成金制度(IWS)です。
これは雇用主が正社員として雇うアポリジナルのオーストラリア人それぞれに対して、政府から4400ドルが雇用主に支払われる制度です。
1人のアポリジナルのオーストラリア人が非常動の労働者として雇用される場合、雇用主には半分の助成金の2200ドルが支払われます。
この制度のもとでは、自社のアボリジナルの従業員が訓練を受けている雇用主にも助成金が支払われます。
Section8 2007年にオーストラリア政府はアポリジナルの子供たちのために何を始めたのでしょうか?
政府はアポリジナルの健康問題、特に子供たちに共通した問題の解決を目指して、別の対策を講じてきました。
2007年以降, 16歳未満の子供たちは健康診断を受けなければならなくなっています。
もし,ある家庭が子供たちの誰か1人でも強制健康診断に行かせないと,その家庭は政府からの生活保護の支給金を失うことになるでしょう。
これは,ある程度効果を発揮してきました。
しかし、親たちの中には政府の強制的な実施に抗議して、結局は子供たちを健康診断に行かせなくなる者もいるのです。
Section9 保健師による家庭訪問サービスを通じてアポリジナルの親は何ができるでしょうか?
もう1つの計画は、保健師による家庭訪間サービス(NFP)で. 2008年に開始されました。
保健師たちが,妊娠しているアポリジナルの女性やその家族を.自宅に定期的に訪間します。
良好な関係が保健師と親たちの間で築かれる可能性があります。
保健師が友人として見られるようになると,家族にとって.質問をしたり専門的な助言を得たりしやすくなります。
そのため、親たちにとって医療制度を利用することや病気の原因を理解することが以前より簡単になっています。
ある母親は、保健師からの助言がなかったら,自分や赤ん坊がどのような医療を利用できるかわからなかっただろうと述べました。
もう1 人の母親は.保健師が教えてくれなかったら.喫煙が彼女の子供の健康にどれだけ危険なものか理解してはいなかっただろうと言いました。
Section10 アポリジナルのオーストラリア人にとってまだ解決されていない最大の間題は何でしょうか?
進歩は統いています。政府の援助のおかげで,今では仕事を見つけることができるアポリジナルのオーストラリア人は増え、奨励されて彼らを雇う雇用主が増えています。
子供たちの健康は非常にゆっくりと向上しつつあります。
しかし、アポリジナルのオーストラリア人の平均寿命は今もまだ短いうえ、平均すると彼らは他のオーストラリア人と比べてはるかに不健康です。
明らかにアポリジナルのオーストラリア人が自分たちをオーストラリア人社会の平等な構成員として見ることができるようになる前に多くのことが行われる必要があるのです。